この度、当院所蔵の国指定重要文化財「弥勒菩薩坐像」を奉安する弥勒堂を建立するにあたり、永代に渡って期限なくご遺骨をお預かりしご供養する納骨永代供養施設(廟所[びょうしょ])を併設いたします。

近年、家を守り繋いでいく時代から個々の人生をその価値観に拠って歩んでいく時代となり、お墓を引き継いでいくことが当たり前ではなくなってきた今日、お墓や先祖供養のあり方が問われています。

そのあり方の一つとして、お寺に納骨(遺骨の管理)や永代供養を託されることがあり、当院でもこれまで納骨堂や本坊裏堂での納骨永代供養をお受けしてきました。今、より多くの方が納骨や永代供養を望まれている中で、その声にしっかりとお応えするには新たな施設が必要であり、それを担うのは安心の道場である弥勒堂が相応しいと考え、堂内に納骨永代供養を行う施設を設けることといたしました。

更には、これからの時代、世代間で住む場所が変わり続けていくと考えられます。つまり、子供が成長して巣立ち、遠く離れた場所に家を構えて、孫ができてもその孫も新たな場所に巣立っていく。その繰り返しの中で先祖のお墓やご遺骨をその度毎に移していくことは大変難しくなるでしょう。また世代が変わるに連れて先祖の記憶も薄れていくものですが、自己のルーツが確かめられる場所として東林院はあり続けたいと考えています。

このように、弥勒堂は何世代にも渡って亡くなられた先祖のご遺骨を安置し供養する「菩提所」としても、皆様の安心の拠り所となることができればありがたいと思います。

東林院 住職

近藤 龍彦

東林院 副住職

加藤 一真

「弥勒堂」設計コンセプト

建物両側には静謐な外陣(廟所[びょうしょ])、中央の内陣の中心には当院所蔵の国指定重要文化財「弥勒菩薩坐像」が奉安され、いつ何時も訪れた人を迎え入れ、また廟所(びょうしょ)を護ります。4.5m×9mの鉄筋コンクリート造の廟所(びょうしょ)に支えられた鉄骨造の大屋根により作り出された中央の9m四方の内陣は、葬儀の場ともなります。鉄骨とコンクリートの特性を最大限生かしたシンメトリーな構成の弥勒堂は、その時代において無理をせず調達できる素材と、時代とともに培われた技術で創りあげられます。伝統的な素材やフォルムと、現代建築の様式・理念を融合することにより、単に歴史や技術の継承のみではなく、現代建築の感性や技術を生かし、今と調和し未来へと受け継がれる現代のお堂です。

「永代供養施設(廟所[びょうしょ])」設計コンセプト

静謐な空間の外陣(廟所[びょうしょ])は敷瓦、漆喰、木製ルーバーで構成され、約800個の厨子(納骨箱)を安置する永代供養施設となります。
漆喰塗の壁面に設置された文様を彷彿させる金属格子は、空間に深い陰影と静謐をもたらす重要な要素でもあり、正面に大中小3種類、北面に中(正面の中よりやや大きい)サイズの納骨箱を安置する棚となります。
入口正面に設けられた祭壇は、曼荼羅をモチーフにしたガラススクリーン越しに内陣の弥勒菩薩坐像を臨みながらご先祖様と対峙する場となります。

(設計担当:MATSUDA Kimihiko Studio Inc. 代表取締役 松田公彦)

「合同祭壇」について

廟所(びょうしょ)においては、薄明かりの厳かな空間にて、どなた様も弥勒菩薩坐像を臨みつつご礼拝いただける合同祭壇を設置いたします。

国指定重要文化財「弥勒菩薩坐像」について

像高96cm、檜の寄木造りで、ふくよかなお顔と優美な曲線の撫で肩、組んだ足もとに伸びる衣の繊細な表現が特徴です。今から約900年前の平安時代後期(院政期)に、京都の「円派」と呼ばれる仏師集団によって彫像されたと考えられ、高野山の北室院に安置されていましたが、その後江戸時代中期に当院へ移されました。以来300年もの月日が流れ、次第に傷みが激しくなり、1998年から2000年にかけて公益財団法人美術院国宝修理所が京都国立博物館内文化財保存修理所工房で修復したところ、その美術的・歴史的価値が認められ、2002年に重要文化財に指定されました。その後、当院本坊の脇の間にて仮安置していましたが、像の保存に最適かつ拝観しやすい安置方法を模索する中で、機縁に恵まれて弥勒堂建立の寄進を賜ることができました。

費用目安について

表記の金額は「永代供養料」となります。費用は厨子(納骨箱)の大きさにより異なります。

<正面>

小サイズ

1名~2名様用

檀家・檀信徒35万円
一般50万円

中サイズ

1名~6名様用

檀家・檀信徒80万円
一般100万円

大サイズ

1名~12名様用

檀家・檀信徒120万円
一般150万円

<北面>

中サイズ

1名~8名様用

檀家・檀信徒100万円
一般120万円

※安置棚の下段に、ご遺骨をお預かりし管理するスペースも設けています。詳しくはご相談ください。(費用目安:一体10万円)

Q&A

宗派が違いますが問題ありませんか。

大丈夫です。
宗派、宗教を問わず、お預かりさせていただきます。

申込みはどうすればいいのですか?

一度、面談をさせていただき、ご事情を伺ったうえで、当院の姿勢や考え方などもお伝えし、ご検討いただきたいと考えています。
まずは電話やメールでご一報いただければと思います。

遺骨を追加する場合、別途費用が必要ですか?

厨子に遺骨を納める際に納骨料として1万円をお納めいただきます。

年間管理費など維持のための負担はありますか?

ございません。
契約当初に納められた費用に含まれています。

解約する場合、返金してもらえますか?

申し訳ございませんが、ご返金はできません。

成約の条件は?

当院が契約書を作成し両者の署名捺印の上、費用を納められた時点で成約となります。

予約(仮押さえ)できますか?

できます。
なお、成約前に場所の仮押さえをする場合は原則として一ヶ月間を期限とし、過ぎた場合はキャンセルといたします。

「納骨永代供養」に関するお問い合わせ・お申し込み

お問い合わせは東林院 電話 088-689-0053 にて承ります。