「鳥はお経を知っている?」

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朝のお勤めの時や護摩の時など鳥の声がよく耳に届いてくる。山すそに居るのでそれも当然の話だが、若い頃都会暮らしの中では人との関係や興味のあることが頭の中を占め、鳥の声や月などなかなか見るものではなかった。

お勤めの時昔からよく思っていたのは、鳥のように、鳥と一緒に在る(jammingする)ような声名だったが、経に集中していると鳥の声は中々聴こえない。ミュージシャンのセッションはキーだけ決めて互いの音を聞きながら音をつむいでいく訳だが、次第があるのでそれは出来ない。(個人的にだったらしても良いのだが..)
しかし今日は何故か声名の途中で鳥がさえずっているのも聴こえてきた。そしてふと、「鳥にお経はどう伝わっているのだろうか?」と思う。鳥の表現やリアクションは、音と振動で彼らに意識の動きがあって感情のようなものがあることを伝えている。12年前、遍路を歩いた時21番札所から22番札所へ向かう緩やかな下り道の森の中で、落ち着いた鳥たちの表現世界の中に口笛で仲間に入れたような錯覚をしたことを思い出した。

鳥の仲間は別の鳥が何かリアクションを取っていたらそれに反応したりする。ということは、人間の声名を感じることも出来るのではないだろうか。
「今日の人間の声は何か考えごとがあってちょっと重ためだね..」
とか..(笑)

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将英